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裏側矯正(舌側矯正)のメリットとデメリット、費用相場も解説
「歯並びは治したいけれど、矯正装置が見えるのは避けたい」という方は少なくありません。仕事柄人前に出る機会が多い方、営業職の方、接客業の方など、見た目を気にされる方にとって、矯正装置の見た目は大きな懸念事項ではないでしょうか。
そんな方々に注目されているのが「裏側矯正(舌側矯正)」です。歯の裏側に装置をつけるため、外から見えず、周囲に気づかれずに矯正治療を進められます。本記事では、裏側矯正の仕組み、メリット・デメリット、費用の目安、表側矯正やマウスピース矯正との違いなどを詳しく解説いたします。ご自身に合った矯正方法を選ぶための参考にしていただければ幸いです。
目次
- 裏側矯正(舌側矯正)とは?基礎知識
- 裏側矯正のメリット
- 裏側矯正のデメリットと注意点
- 裏側矯正の費用相場と治療期間
- 裏側矯正が適している方・適さない方
- よくある質問(Q&A)
- まとめ
1. 裏側矯正(舌側矯正)とは?基礎知識

裏側矯正について、まず基本的な知識を理解しましょう。
裏側矯正の定義
裏側矯正とは、歯の裏側(舌側)にブラケットとワイヤーを装着する矯正治療法です。「舌側矯正」「リンガル矯正」とも呼ばれます。
通常の表側矯正では、歯の表面(唇側)に装置をつけますが、裏側矯正では、装置がすべて歯の裏側に隠れるため、外から見えません。
裏側矯正の歴史
裏側矯正は、1970年代にアメリカで開発されました。当初は技術的な難しさから、あまり普及しませんでしたが、2000年代以降、装置の小型化や治療技術の向上により、日本でも徐々に広まってきました。
裏側矯正の仕組み
基本的な原理は、表側矯正と同じです。ブラケットを歯に装着し、ワイヤーを通して、歯に力をかけて動かします。
ただし、歯の裏側は表側と形状が異なるため、裏側矯正専用の特殊なブラケットが使用されます。また、ワイヤーの曲げ方なども、表側矯正とは異なる技術が必要です。
上下どちらも裏側にできる
裏側矯正は、上の歯だけ裏側、下の歯は表側という「ハーフリンガル」という方法もあります。笑ったときに見えやすい上の歯だけを裏側にすることで、費用を抑えつつ、審美性を確保できます。
2. 裏側矯正のメリット

裏側矯正には、多くのメリットがあります。
外から見えない
最大のメリットは、矯正装置が外から見えないことです。
日常生活での影響
- 笑顔を気にせず、自然に笑える
- 人前で話すときも、装置を気にしなくてよい
- 写真撮影でも、装置が写り込まない
- 「矯正している」ことを知られたくない場合に最適
例えば、結婚式を控えている方、就職活動中の方、営業職や接客業の方など、見た目が重要な場面が多い方にとって、大きなメリットとなります。
前歯の後戻りが少ない
裏側矯正では、前歯を後ろに引っ込める際、舌からの圧力が加わらないため、後戻り(元の位置に戻ろうとする動き)が少ないとされています。
これは、装置が歯の裏側にあることで、舌が自然と前歯を押す力が働きにくいためです。
虫歯になりにくい
意外かもしれませんが、裏側矯正は表側矯正と比べて、虫歯になりにくいとされています。
理由
- 歯の裏側は唾液の自浄作用が働きやすい
- 裏側のエナメル質は表側より厚い
- 裏側は常に舌や唾液で湿っているため、細菌が増殖しにくい
ただし、これは「歯磨きをしなくてよい」という意味ではありません。適切な口腔ケアは必要です。
スポーツや楽器演奏への影響が少ない
スポーツ ボールが顔に当たったり、人と接触したりするスポーツでは、表側矯正の場合、唇や頬の内側が装置で傷つくリスクがあります。裏側矯正では、このリスクが軽減されます。
楽器演奏 管楽器など、唇を使う楽器の演奏では、裏側矯正の方が影響が少ないとされています。
出っ歯の治療に効果的
出っ歯(上顎前突)の治療では、前歯を後ろに引っ込める必要があります。裏側矯正は、この動きを効率的に行えるとされています。
3. 裏側矯正のデメリットと注意点

メリットが多い裏側矯正ですが、いくつかのデメリットや注意点もあります。
違和感が大きい
装置が舌に触れるため、特に最初のうちは違和感が大きくなります。
具体的な違和感
- 舌が装置に当たる感覚
- 話しにくさ
- 食べにくさ
- 舌が痛くなることがある
多くの方は、1~2週間程度で慣れてきますが、個人差があります。中には、なかなか慣れないという方もいらっしゃいます。
発音がしづらい
装置が舌の動きを妨げるため、特にサ行、タ行、ラ行の発音がしづらくなることがあります。
これも、徐々に慣れてきますが、仕事で話す機会が多い方、アナウンサーや歌手など、発音が重要な職業の方は、注意が必要です。
歯磨きが難しい
裏側は鏡で見えにくいため、歯磨きの難易度が上がります。
対策
- 小さめの歯ブラシやワンタフトブラシを使用
- デンタルミラーで確認しながら磨く
- 歯科医院でブラッシング指導を受ける
- 定期的なクリーニングを欠かさない
慣れるまでは、歯磨きに通常の2倍程度の時間がかかることもあります。
治療期間が長くなることがある
裏側矯正は、表側矯正と比べて、治療期間がやや長くなる傾向があります。
理由
- 装置の調整が難しい
- 歯の移動をコントロールするのに技術が必要
- 調整に時間がかかる
ただし、技術の進歩により、表側矯正との差は小さくなってきています。
費用が高い
裏側矯正は、表側矯正やマウスピース矯正と比べて、費用が高くなります。
費用が高い理由
- 専用の装置が必要
- 高度な技術と経験が必要
- 治療時間が長い
- 装置の製作に手間がかかる
具体的な費用については、後ほど詳しく解説します。
対応できる歯科医院が限られる
裏側矯正は、高度な技術と経験が必要なため、すべての歯科医院で対応しているわけではありません。
治療を受ける場合は、裏側矯正の経験が豊富な歯科医師を選ぶことが推奨されます。
装置が外れやすいことがある
歯の裏側は、表側と比べて接着面積が小さいため、装置が外れやすいことがあります。
硬いものを食べたり、装置に舌が強く当たったりすると、ブラケットが外れることがあります。外れた場合は、早めに歯科医院を受診する必要があります。
4. 裏側矯正の費用相場と治療期間

気になる費用と治療期間について解説します。
費用の目安
裏側矯正は自費診療のため、歯科医院によって費用が異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
全体矯正(上下とも裏側) 一般的に、表側矯正の1.5~2倍程度の費用がかかることが多いとされています。
ハーフリンガル(上だけ裏側、下は表側) 全体を裏側にするより費用を抑えられます。
部分矯正(前歯だけなど) 治療範囲が限られる場合は、費用も抑えられます。
費用に含まれるもの
一般的に、以下のものが含まれます。
- 初診・相談料
- 精密検査・診断料
- 装置料
- 調整料(月1回程度の通院)
- 保定装置料
ただし、トータルフィー制(総額制)と調整料別払い制があり、歯科医院によって異なります。治療開始前に、詳しく確認することが大切です。
治療期間の目安
全体矯正の場合 一般的には2~3年程度が目安です。症状の複雑さや、歯の移動量によって異なります。
部分矯正の場合 半年~1年程度で完了することもあります。
保定期間 矯正装置を外した後、1~2年程度は保定装置(リテーナー)を使用します。
支払い方法
多くの歯科医院では、以下のような支払い方法が選択できます。
- 一括払い
- 分割払い(院内分割)
- クレジットカード払い
- デンタルローン
治療開始前に、無理のない支払い計画を立てることが推奨されます。
医療費控除の対象
矯正治療は、美容目的でなく、噛み合わせの改善など医療目的であれば、医療費控除の対象となる場合があります。
18歳未満の矯正治療は、基本的に医療費控除の対象です。成人の場合は、診断書が必要になることがあります。詳しくは、税務署や税理士にご確認ください。
5. 裏側矯正が適している方・適さない方

どのような方に裏側矯正が適しているのでしょうか。
裏側矯正が適している方
見た目を重視する方 「矯正していることを周囲に知られたくない」という方に最適です。
人前に出る機会が多い方 営業職、接客業、アナウンサー、モデル、芸能人など、人前に出る仕事の方に適しています。
結婚式などのイベントを控えている方 「結婚式までに歯並びを治したいけれど、装置が写真に写るのは避けたい」という方に適しています。
出っ歯を治したい方 前歯を後ろに引っ込める治療に効果的です。
スポーツをする方 コンタクトスポーツなど、顔への衝撃のリスクがあるスポーツをする方に適しています。
裏側矯正が適さない方
重度の歯並びの問題がある方 極端に複雑な症例の場合、表側矯正の方が確実性が高いことがあります。
舌が大きい方 舌が大きい場合、装置への違和感が強く、慣れるのに時間がかかることがあります。
費用を抑えたい方 費用を最優先する場合、表側矯正やマウスピース矯正の方が適しています。
発音が重要な職業の方 アナウンサー、歌手、声優など、発音が非常に重要な職業の方は、慣れるまでの期間、仕事に影響が出る可能性があります。
丁寧な口腔ケアが難しい方 裏側矯正は歯磨きの難易度が高いため、丁寧なケアができる方に適しています。
他の矯正方法との比較
マウスピース矯正との比較 マウスピース矯正も目立たない治療法ですが、適応症例に限りがあります。裏側矯正は、ほぼすべての症例に対応できる点で優れています。
表側矯正との比較 表側矯正は、費用が抑えられ、治療期間も短い傾向がありますが、見た目が気になります。審美性を重視するなら裏側矯正、費用と治療期間を重視するなら表側矯正が適しています。
6. よくある質問(Q&A)

Q1:裏側矯正は痛いですか?
歯が動くときの痛みは、表側矯正とほぼ同じです。ただし、装置が舌に当たることによる痛みや違和感は、裏側矯正特有のものです。最初の1~2週間は、舌が痛くなることがありますが、徐々に慣れてきます。歯科用ワックスを使って、装置の突起部分をカバーすることで、痛みを軽減できます。
Q2:本当に外から見えませんか?
通常の会話や笑顔では、ほぼ見えません。ただし、大きく口を開けたり、下から覗き込んだりすると、装置が見えることがあります。それでも、表側矯正と比べれば、圧倒的に目立ちません。
Q3:発音はいつ頃慣れますか?
個人差がありますが、多くの方は1~2週間程度で慣れてきます。ただし、完全に元通りになるまでには、1~2ヶ月かかることもあります。発音練習を行うことで、早く慣れることができます。
Q4:食事制限はありますか?
表側矯正と同様に、硬いものや粘着性の高いものは避ける必要があります。また、装置が外れやすいため、硬いものを噛むときは特に注意が必要です。詳しくは、矯正治療中の食事に関する記事もご参照ください。
Q5:上だけ裏側、下は表側という選択肢もありますか?
はい、「ハーフリンガル」という方法があります。笑ったときに見えやすい上の歯だけを裏側にし、下の歯は表側にすることで、費用を抑えつつ、審美性を確保できます。多くの方が、この方法を選択されています。
Q6:裏側矯正でも、マウスピース矯正のように取り外しはできますか?
いいえ、裏側矯正は固定式のため、取り外しはできません。食事も装置をつけたまま行います。取り外しができる矯正治療を希望される場合は、マウスピース矯正をご検討ください。
7. まとめ
裏側矯正(舌側矯正)は、外から見えない矯正治療法で、審美性を重視する方に適した選択肢です。
裏側矯正のメリット
- 外から見えない
- 前歯の後戻りが少ない
- 虫歯になりにくい
- スポーツや楽器演奏への影響が少ない
- 出っ歯の治療に効果的
デメリット・注意点
- 違和感が大きい
- 発音がしづらい
- 歯磨きが難しい
- 治療期間がやや長くなることがある
- 費用が高い
- 対応できる歯科医院が限られる
費用の目安
- 表側矯正の1.5~2倍程度
- ハーフリンガルで費用を抑えることも可能
- 医療費控除の対象となる場合がある
適している方
- 見た目を重視する方
- 人前に出る機会が多い方
- 結婚式などのイベントを控えている方
- 出っ歯を治したい方
- スポーツをする方
裏側矯正は、「歯並びは治したいけれど、装置が見えるのは避けたい」という方にとって、理想的な治療法です。ただし、費用が高く、治療の難易度も高いため、経験豊富な歯科医師を選ぶことが重要です。
また、裏側矯正以外にも、マウスピース矯正や、白いブラケットを使った表側矯正など、目立ちにくい矯正方法があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、ご自身の状態やライフスタイル、ご希望に合った方法を選ぶことが大切です。
当院では、裏側矯正を含む様々な矯正治療に対応しております。経験豊富な矯正専門医が、患者様一人ひとりの状態とご希望を丁寧にお伺いし、最適な治療方法をご提案いたします。「裏側矯正に興味があるけれど、自分に合っているか分からない」「費用について詳しく知りたい」という方は、どうぜひお気軽にご相談ください。無料相談も承っております。素敵な笑顔を手に入れるお手伝いをさせていただきます。